「高円寺アパートメント」が2026年度グッドデザイン・ベスト100およびグッドフォーカス賞[地域社会デザイン] を受賞しました

2026.10.15 | NEWS

OpenAがデザイン監修で関わった「高円寺アパートメント」が、このたび2026年度グッドデザイン賞においてグッドデザイン・ベスト100に選定され、さらにその中から選ばれる特別賞、グッドフォーカス賞[地域社会デザイン]を受賞しました。

高円寺アパートメント
https://www.open-a.co.jp/works/5952/

審査コメント

この計画の芯は、2017年の改修棟にあると見てよいだろう。高架の騒音という不利を賑わいの側へ読み替え、周囲を遮っていた壁を外し、駐車場を芝生の広場に転じた判断は、半屋外やネイバーフッドの価値が社会的に共有される以前のものである。時代がその後を追いかけた形であり、先に賭けた眼力は高く評価したい。2025年の新築棟は、その手応えを立体的に展開し、確かなものとして定着させた到達点と位置づけられる。実務面で目を引くのは、リーシングを設計完了前に着手した点である。空室リスクを抑えながら借主の要望を平面へ取り込むこの段取りは、竣工前のテナント確定を急ぐ通例とは異なるマインドセットを要するもので、沿線価値という長い時間軸を持つ事業者との協働が実らせたものとも推察される。企画と設計を分けない体制がここまでの成果を生むことを示した点で、条件の近い案件では大いに参考にされるべきである。賃貸住宅の価値が入居後に決まるという認識に立ち、運営者が自ら住みながら関係を編む体制を10年近く続けていることは、設計以上に難度の高い成果である。さらに、住民有志が防災マニュアルを自ら作成し、訓練を年次の企画として根づかせていることも、運営の担い手が住人側へ広がりつつある証であり、ここまで育った例は稀である。高架下の空き倉庫や隣接地の暫定利用にまで波が及んでいる現状は、その自然な延長といえる。建築が街の更新の起点になり得ることを、時間をかけて実証しつつある計画である。

2026年度グッドデザイン賞受賞概要
https://www.g-mark.org/learn/past-awards/gda-2026/results