NEED THE PLACE

NEED THE PLACE

時期:2022.10

所在地:広島県福山市

クライアント:株式会社 マルシメ

規模:300㎡

用途:グローサリーストア

企画・設計・監理:平岩祐季+有廣愛恵+竹内咲恵子

撮影:平岩祐季

飲食店やオフィス、ものづくり拠点などが集まる福山市の商業施設「iti SETOUCHI」にオープンしたグローサリーストア「NEED THE PLACE」。秋田県発祥の店で、日本の魅力ある食材・雑貨を扱い、地域内外に向けて新たな食文化・ライフスタイルを発信している。Open Aでは同店の内装デザインを担当した。

区画は、施設内で最も広い300平米。前面は、さまざまな人や活動が交わる広場のような共用空間に面しており、施設内での存在感が大きい場所である。

こうした区画や施設の特性に呼応するよう、以下の提案をおこなった。

・区画内にとどまらない、積極的な活動のにじみ出しをサポートするハード面の設え
・誰もが立ち寄りやすく心地よい、雑多感のあるデザイン

日常的な物品販売だけではなく、イベント時には店前にブースのような特設コーナーを設けるなど、多様な販売スタイルが展開できるように壁は一切設けず、可動什器のみで区画を構成した。内部の陳列什器は、既成のラック什器にパラサイトするような造作什器で、陳列にリズムを持たせた。季節に応じた商品の入れ替えには、什器の使い方や配置によって対応できるようにした。また、区画ライン(柱の外面のライン)からはみ出た床仕上げは「可動什器をはみ出して使用しても良い」という施設側の許容を視覚的に示している。

意匠面では、メインの什器となるレジカウンターの天板に、秋田で産出される十和田石を使用。十和田石独特のブルーグリーンをショップのメインカラーとして、染色したラーチ合板で全体を仕上げた。

風になびく暖簾や天吊のサイン、それぞれ高さを変えたペンダントライト、視線を遮ったり交差させたりする独特な棚の配置など、さまざまなエレメントを散りばめてリズム感を出すことで、マルシェのような心地よい賑わいを演出している。(竹内咲恵子/Open A)