みつかる / 水海道複合施設





















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みつかる / 水海道複合施設
時期:2024.11〜2026.05
所在地:茨城県常総市
クライアント:株式会社 染谷工務店
規模:鉄骨造、地上1階、建築面積 2080.68㎡、延床面積 1966.88㎡
用途:複合施設(交流センター・児童センター・飲食店・物販店舗)
公民連携支援:梶田 裕美子/公共R不動産 , 企画・設計(基本設計+実施設計デザイン監修)・監理デザイン監修:平岩祐季+竹内咲恵子/OpenA 米田真大/YND ARCHITECTS
照明デザイン:須方宏明/Light Range , ファブリックデザイン:山本紀代彦/fablicscape , サインデザイン:株式会社ひらく
設備基本設計:平本久/有限会社 平本設備コンサルタント , 構造設計アドバイス:木下洋介/株式会社 木下洋介構造計画
撮影:阿野太一 /有限会社フォワード
元スーパーマーケットを地域の複合施設へ
商店街の一角で、10年近く時が止まっていた元スーパーマーケットの空き家。街の大きな「空洞」となっていたこの場所に再び活動を取り戻すため、交流センター・児童センター・民間テナントが集う複合施設への再生プロジェクトが始動した。
建物はスーパーマーケット特有のシンプルな構成で、内部は広大ながらも大雑把な大空間。改修にあたっては「複合機能の配置」「1年後に西隣へ誕生する市民広場との連携」「既存躯体の活用」という3つの条件が求められた。
これらを、設計では「街との関係をつくり直すこと」と「大空間を柔軟に使いこなすこと」という2つのアプローチから読み替えた。
1. 街にひらく「顔」の転換: 西側に広場が整備されることを受け、かつては裏側だった壁面をメインエントランスへと転換。広場へと開かれた新しい表情をつくり出す一方で、商店街側の既存エントランスも街の記憶として機能を継承している。また、外壁をセットバックさせ、市民広場に面した深い軒下空間を創出。人々の憩いを生む中間領域であり、市民広場でのイベント時にはステージとしても機能する。街と建築の境界を緩やかににじませた。軒先には、造作の樋や照明を設置し、ファサードの新たなアクセントとして機能している。
2. 風景のように揺らぐ「可変境界」 :建物中央に共用部を配し、各コンテンツがそれを囲む柔軟なゾーニング計画とした。境界の一部には壁ではなくカーテンを採用。開放すれば共用部と一体の開放的な大空間となり、閉じれば落ち着いた占有空間へと変化する。各機能が互いに閉じるのではなく、緩やかにつながり合う関係性を意識した。
常総の風景を、空間にインストールする
デザインのコンセプトには「常総の風景の再解釈」を据えた。大きな箱の西側から差し込む光、そして空間をゆったりと横断するカーテンの佇まい。その姿に、常総の地を流れる鬼怒川や小貝川の豊かな水辺の風景を重ね合わせている。
空間全体をひとつの「地形」と捉え、カーテンは清らかな「河川」、内部の壁面は「土手」、共用部に点在する什器は「川底の小石」に見立てている。
カーテンは、金属蒸着やパンチング加工等の特殊加工を施したオーガンジーとビニールを重ね合わせることで、水面のような独特の光と影を映し出す。あえて重なりの中に照明を仕込むことで、柔らかな影を生み出した。そこに、太陽光を受けて浮かぶモアレや、人の動きに反応する揺れなど、不規則な因子が組み合わさることで、表情が幾重にも変化し、自然のような豊かさを空間に与えている。
壁面には砂や石を含んだ塗装材を採用し、人の動線に沿って有機的なラインを描くことで、水に侵食された川縁のような自然な質感を表現した。
共用部の什器は、川底の小石のようにどこか似ているけど少しずつ違った表情を持たせながら、丸みのある愛らしいデザインへと仕上げた。全体の色彩計画は、実際に鬼怒川の河川敷で拾い集めた小石からサンプリングして決定した。
地域の記憶を宿した素材と色彩が、あたたかく人々を迎え入れる。 かつての「空洞」が、多様な営みが交差し、新たな街の風景を育む拠点として生まれ変わることを期待している。(竹内咲恵子/Open A)
