日光の学術交流施設 / 廃病院再生

























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日光の学術交流施設 / 廃病院再生
時期:2024.07~2026.01
所在地:栃木県日光市
クライアント:個人
規模:RC造 / 木造 / 190平米(改修範囲)
用途:セミナールーム・ラウンジ
企画 / 内装デザイン監修:平岩祐季+河﨑帆高
撮影:平岩祐季
廃病院を再生した、世界と繋がる研究者たちの交流拠点
豊かな自然と文化遺産を持つ日光。その市街地に建つ廃病院の1階部分を、若手研究者や海外からのトップ研究者が集う交流施設としてリノベーションした。
世界トップレベルの知性が交わる場
日本の科学研究における国際的な地位低下や若手研究者のポスト減少が危惧されるなか、国内外の研究者が深く交流できる場が求められている。こうした課題に危機感を抱いた元研究者である施主が中心となり、「研究者同士が垣根を越えて対話できる場所をつくりたい」という想いから本施設を立ち上げた。約50名の参加者が講義を受け、食事を共にし、時間をかけて自然と交流を深められる施設を目指して計画されている。
「ミニマルリノベーション」×「ホテルラウンジ」
施設内は主に、講義を行う広々としたセミナールーム、参加者同士の会話を促すミニキッチン、そしてくつろぎの時間を過ごせるラウンジで構成されている。
デザインの核となるコンセプトは、「ミニマルリノベーション」と「ホテルラウンジ」の掛け合わせ。 メインのセミナールームは研究者のための講義空間の構築と施工費のコントロールの両立を目指した。そのため、丁寧に解体を行い既存のスケルトン空間を活かし、シンプルな設備機器や白色の照明をベースとするミニマルな手法を採用している。
一方で、海外からの招聘客を心地よくもてなすホテルラウンジのような空間を実現するため、エントランスやラウンジを暖色の塗装や照明、ハイエンドなファブリック、そして空間に馴染む上質なヴィンテージ家具をセレクトした。
病院の記憶を継承し、多様な居場所をつくる
リノベーションにあたっては、かつて病院であった頃の空気感を残し、均一ではない空間へと再編集した。
特徴的な既存の建具や内装の仕上げをそのまま生かしているほか、かつての手術室に残されていた無影灯をセミナールームの照明に、ストレッチャーをテーブルへ、施術椅子や待合椅子をラウンジチェアとして再活用している。こうした既存建築の記憶を引き継ぐアプローチによって、新築にはない固有の魅力を引き出していった。
かつて地域の医療を支えた病院は、ミニマルでありながらも温かみのある空間へと生まれ変わり、これからの科学研究を担う人々に新しいインスピレーションと多様な交流をもたらす場として歩み始めている。(平岩祐季/Open A)
