Hocus Pocus表参道












Hocus Pocus表参道
時期:2024.09〜2025.04
所在地:東京都渋谷区
クライアント:株式会社 ウィッチクラフト
規模:100㎡(屋内50㎡/屋外50㎡)
用途:飲食店舗
企画・設計・監理:平岩祐季+小川理玖+竹内咲恵子
電気設備設計:one and one 福島颯太
撮影:小川理玖+竹内咲恵子
静と動の対比を表現する
ユースカルチャーの中心地・表参道。
常に新陳代謝を繰り返し、流行と個性が共存するこの街に、ケーキのようなドーナツを中心とした焼き菓子店「Hocus Pocus 表参道店」が誕生した。本計画では、その内装及びテラスの設計を担当している。
店舗は、GYRE脇のキャットストリートを少し入った右手のビル4階に位置する。
屋内約50㎡、テラス約50㎡のこじんまりとした店舗だ。
賑わいあふれる表参道の地上から階段を上がると、そこには都会の喧騒から切り離されたような穏やかな静けさが広がる。さらに店内奥に続くテラスへ進むと、渋谷のビル群や表参道の街並みを一望でき、都心にいながらも開放感が味わえる。
内装設計では、立地と空間がもつ静と動の対比をそのまま受け止め、屋内と屋外で異なる表情をもたせながらも、店舗として統一感のある空間を目指した。そして、永田町にある1号店の洗練された空間イメージは残しつつ、原宿という若者のトレンドの発信地に相応しい、素材感やカラースキームを取り入れた構成としている。
店内:都会の喧騒から離れた“隠れ家”のような空間
天井高を抑え、包まれるようなスケール感を意識した。メイン仕上げには、落ち着いた色味と質感をもつ左官風塗装を採用し、穴蔵のような温もりと静けさを空間に与えている。照明計画はテラスから差し込む自然光を主役とし、天井設備は客席側には極力設けず最小限に抑えた。また、壁面の角や天井の入隅を柔らかなアールで仕上げることで、自然光の陰影が滑らかに空間に広がるような計画とした。
什器や扉面の素材には、赤褐色やモスグリーンのアクセントカラーやタイルなどの異素材を組み合わせることで、間延びしないマテリアル選定を意識した。ショーケースに並ぶ、ひとつひとつに個性が光るドーナツを艶やかなタイルで仕上げたカウンターが、ジュエリーのような特別感を引き出している。
テラス:視線が抜ける開放的な”リビング”のような空間
屋外の日差しを受け止めるため、屋内より明るいトーンの仕上げを採用。什器は全体的に高さを低く抑え、眺望を引き立てる構成とした。また、テラスも店内と呼応するように柔らかな曲線を用い、内外がゆるやかにつながる、連続したデザインを意識している。
静けさのある屋内と、賑わいのある屋外。
一見対照的に思えるような空間だが、素材や色味や仕上げに統一感を持たせることで、シームレスに繋がり、狭小ながらも都心の時間の流れをゆったりと感じられる空間が生まれている。(竹内咲恵子/Open A)
