時期：2019.08〜2021.07

所在地：広島県福山市

クライアント：株式会社 土屋

規模：木造2階建（敷地面積：66.47㎡、延床面積：91.30㎡）

用途：飲食店

CM：株式会社 アー・ヴェー・ツェーム

設計/監理：馬場正尊＋平岩祐季＋土屋柚貴

撮影：平岩祐季

広島県福山市延広町に位置する商店街通りの貸店舗の計画。
クライアントは昔から街をよく知り、街並みに親しんでいた。

時を重ねてきたこの商店街のなかで、新築の貸店舗はどう在るべきなのか。打合せと検討を重ねていく中で、商店街沿いにある小さな公園からヒントを得て、大きな間口の木造2階建ての店舗ができあがった。ふらっと公園に立ち寄るように、通りから自然に建物内部へ迎え入れるような佇まいをしている。

大きな間口を構成するのは、門型の耐火構造の壁と6つの引違い段窓。1日を通して、時間帯や気候によって開いたり閉まったり、光ったり反射したり、窓の使い方がそのまま建物の細かな表情となり外観に現れる。まるで公園のように、にぎやかさも自然に外へ溢れ出る建築となった。

内部はできるだけ「がらん」とした空間を目指し、木造軸組の現しに仕上げた。間口に向けて階段を降ろすことで、利用者は外部から店舗奥へと自然に導かれるようになっている。

ここには飲食店が入店する予定となっている。 商店街通りで人々がふっと一息を抜けるような場所になっていくことを期待している。（土屋 柚貴/Open A）