ペンギンアパートメント

ペンギンアパートメント

時期:2022.04~2023.04

所在地:千葉県市川市

クライアント:株式会社ペンギンデザイン

規模:200㎡

用途:展示計画

設計・監理:平岩祐季+福井亜啓+桑村駿太/Open A

撮影:平岩祐季/Open A

千葉県市川市 芳澤ガーデンギャラリーにて開催された、イラストレーター・絵本作家 坂崎千春さんの個展『ペンギンアパートメント』。Open Aでは展示会場の空間構成・什器デザインを担当した。

今回の個展では、坂崎さんがライフワークとされているペンギンのイラストレーション合計1,000点の原画を前期と後期に分けて展示。坂崎さんからこの個展タイトルでもある『ペンギンアパートメント』というテーマを受け取り、展示計画がスタートした。

今回の坂崎さんの作品は5つのテーマごとに描かれている。

それら5つのテーマに対して、それぞれの世界観を表現するアパートメントの“モチーフ”を考えた。

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1.「動くペンギン」…ペンギンたちがいきいきと動き回る“流氷”

2.「ペンギンといきもの」…さまざまな動物たちが暮らす“森”

3.「ペンギンと色」…色とりどりでにぎやかな“アーケード”

4.「ペンギンと鳥」…思わず上を見上げたくなる“高層ビル”

5.「ペンギンと猫」…2匹の愉快な暮らしを垣間見る“家”

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それぞれのモチーフが作品の背景となり、会場全体を構成する什器となっている。

什器はそれぞれのモチーフを抽象化したシンプルな形状で表現し、素材はすべてシナベニヤで統一した。

会場はテーマごとに5つのゾーン(5つのアパートメント)で構成。ぞれぞれのアパートメントを行ったり来たり自由に回遊できる動線計画とした。作品はすべて小さなアパートメントの窓に見立てられた14cm角の木製額縁に収められており、それらを什器形状に合わせて配置していくことで、作品の見せ方自体も楽しめる展示計画となっている。また、それぞれのアパートメントごとにある“1/1のペンギン”によるコンテンツも見どころのひとつ。

ペンギンたちが暮らす小さな町のような空間を回遊しながら、お気に入りのアパートメントの一室を見つけてもらう。そんな楽しみ方のできる展示計画である。(福井亜啓/Open A)