サガハツ/佐賀駅高架下の再生プロジェクト
サガハツ/佐賀駅高架下の再生プロジェクト
時期:2020.04~2023.04
所在地:佐賀市駅前
クライアント:JR九州ビルマネジメント株式会社
規模:建築面積:4,309.88㎡ 延床面積 4,495.44㎡
用途:商業施設
デザイン監修:オープン・エー
基本・実施設計:交建設計
グラフィックデザイン:REIDEX
撮影:ハレノヒ 笠原 徹
佐賀駅の高架下が新たなまちの結節点へ
佐賀駅高架下の再生事業。飲食店や物販が並ぶ商業施設であり公共的な性質も持つ、新たなタイプの施設にリニューアル。街を構成するメインストリート、路地、側道、広場などを高架下にインストールし、周辺エリアとシームレスにつなげることで、忘れ去られた高架下空間を新たな街の結節点とした。
プロジェクトの背景を振り返ると、佐賀駅の東側周辺は市役所やバスターミナルなどの主要機能が集中しているのに対し、西側は日常の動線から外れて人通りが少なく、高架下は巨大な空き空間となっていた。
佐賀駅周辺を歩いてにぎわうエリアにしようと佐賀駅南北の駅前ロータリーの広場化やSAGAアリーナの建設など、複数の開発計画が進行するなか、駅の西側も高架下をリニューアルすることで街の新たな結節点となることを目指してプロジェクトが始動した。
施設は半屋外と屋内の2つのゾーンで構成されている。
一部の外壁を取り壊して半屋外空間にし、自由通路を南北に通して駅前広場と繋ぐことで、駅周辺の回遊性をアップさせた。さらに空間全体はオープンエアのまま各店舗ごとに壁をつくり空調を設置することで、初期投資とランニングコストを抑えられている。
半屋外ゾーンのテーマは「屋根のある街」としている。まず鉄道高架を広い屋根と見立てる。その下に街の要素であるメインストリートや路地、広場や店舗を集めていくという考え方だ。通路がアスファルト敷きになっていることで「ストリート」を想起させ、よりパブリックな質感をもたらしている。広場にはキッチンカーが出店したり、イベントを行うこともできる。
床の石畳は「にじみ出しゾーン」として各店舗から1メートル以内であればはみ出して営業することを許可した。屋外席を置いたりテイクアウトの商品を並べることで、各店舗のにぎわいが外にも広がっていくことが狙いだ。
空間デザインでは、マテリアルの選定とグラフィックに工夫を凝らした。コンクリートや石畳、フェンスなど屋外で使われてるマテリアルが高架下のダイナミックな構造を引き立て、サイン計画とグラフィックデザインで全体のトーンを引き締めている。
一方で屋内ゾーンは白を基調としたシンプルで洗練された空間に仕上げながら、半屋外ゾーンと同じくグラフィクを効果的に配置している。
かつては人の気配がなかったこの場所に人々が集い、新しい風景が生まれ、誰でも自由に過ごせるパブリックな場所として機能している。サガハツのオープンに続いて、SAGAアリーナやSAGAサンライズパークも完成した。今後この場所が周辺エリアと連携しながら、中心市街地の人の流れを後押しする場所になることを期待している。(大我さやか/Open A)
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