虎ノ門のオフィスリノベーション

虎ノ門のオフィスリノベーション

時期:2019.09~2021.03

所在地:東京都港区

クライアント:三菱地所レジデンス株式会社

規模:鉄骨鉄筋コンクリート造 8階 1,157 m²

用途:事務所・店舗

共同設計:YASUSHI YAMANOI ARCHITECTS、KIRI ARCHITECTS

撮影:楠瀬友将

東京メトロ虎ノ門ヒルズ駅付近にあるオフィスビルの改修。8階建てで各フロアは110平米ほどの小規模なビル。築50年ほどで老朽化が進み、耐震補強が必要だった。

本案件の最大の特徴がファサードの改修だ。既存ではガラスのカーテンウォールで外部との関係が閉ざされていたところ、バルコニーを新設して窓を開けられるようにした。

バルコニーは貸床から外れるため、レンダブル比を考えると一見不利にも思えるが、自由に外気を取り入れられることや、リフレッシュスペースとして機能することを付加価値とした。グループ会社である「東京R不動産」との共同プロジェクトであり、顧客と近いリーシングからの視点を取り入れたことで実現した計画だ。

バルコニーに設置した柵はメッシュ素材を屏風のように折り合わせたデザインで荷重を抑えているほか、角度が不規則で光の当たり方によって見え方が変わり、建物に表情をつけている。内部の壁や床は既存の壁材や床材をはつり、ラフに仕上げた。

気候のいい日には窓を開けて外の風を取り入れてみる。バルコニーで一息ついたり、植物を育ててみるのもいいかもしれない。外部を遮り温度や湿度、気流をコントロールする空間から、自然の風を取り入れ外部とつながるオフィスへ。従来とは違ったアプローチからの働き方の提案だ。(荻野晋也/Open A)