さかざきちはるの本づくり展
さかざきちはるの本づくり展
時期:2020.11.7〜2021.1.8
所在地:千葉県市川市
クライアント:ペンギンデザイン
規模:164.66㎡
用途:展示空間
企画・設計・監理:平岩祐季+有廣愛恵+木下まりこ/Open A
撮影:平岩祐季/OpenA
千葉県市川市の市川市文学ミュージアムで開催された、イラストレーター・絵本作家、さかざきちはるさんの『さかざきちはるの本づくり展』。OpenAでは、展示企画・コンテンツ編集・会場構成を担当した。
今回の展示は、さかざきさんの本づくりにフォーカスしたものであったため、作家さん自身が選んだ素材や色、印刷方法など、絵本づくりの工程そのものが展示内容となっている。
ひとつの見せ場として、さかざきさんが現在までに出版した絵本のうち25冊を解体し、色彩、製本手法といった細部の違いを比較できるように設るなど、今までにない絵本展示コーナーも設けている。
会場は、1:「ぴーちゃんの歌」ストーリー、2:「ぴーちゃんの歌」再編集の流れ、3:ほかのさかざきさんの本たちはどうやってできたのか、4:キャラクターが絵本になったら、の4部で構成。
1:「ぴーちゃんの歌」ストーリーでは、絵本をつくる際、まずことばから発想するというさかざきさんの絵本におけることばの重要性をインスタレーションで表している。絵本の1ページを「ことば」、「絵のアウトライン」、「色」の3つのレイヤーに分け、その全てが重なった時に全体像が見えてくるデザインとした。
会場全体は、さかざきさんの絵の特徴であるアウトラインを壁、床、什器に立体的に巡らせ、それを辿っていくと、さかざきちはるの 「本づくり」の真髄が見えてくるものになっている。
また、新型コロナウィルス感染拡大のなか、このアウトラインが誘導となり、観覧する人々が自然に距離をとりつつも、流れが滞らない新しい展示方法を示すものになったと考える。( 有廣愛恵 )