axle 御茶ノ水

axle 御茶ノ水

時期:2020.04

所在地:東京都千代田区

クライアント:東和不動産株式会社

規模:7,299.96㎡

用途:複合オフィス

企画・設計・監理:平岩祐季+澤伸彦+野上晴香+南由佳/Open A

撮影:阿野太一

東京、御茶ノ水駅から徒歩数分でアクセス可能な立地に位置する、トヨタ社員寮の改修。

OpenAでは施設のリノベーション活用方法の提案から設計・監理までを行った。

トヨタグループの東和不動産が東京進出の第1号として掲げる、述べ面積7000㎡を超える施設の改修プロジェクトであり、複合的なオフィスコンプレックスとしてのプログラム提案・改修を行った。多様な働き方を許容し、プロジェクトをドライブさせていく新しいオフィスの姿を目指した。 

本施設では、各階でサイズもデザインも違う多種多様なワークスペースを計画している。

600㎡を超えるワンフロアオフィス、テラス付きオフィス、20~200㎡の中規模オフィス、短期貸しを目的としたプロジェクトルーム、机ひとつから借りることのできるシェアオフィス、イベントスペースなど、個人から組織まで、新しいプロジェクトを始める様々な人に応じたワークスペースを提供することで、多様な働き方を許容できる場所としている。

また、フロアの構成だけでなく、プロジェクトをドライブさせるための施設を目指して、各所で様々な仕組みを取り入れている。

例えば、地上に近いフロアとなるB1階・1階・2階にはそれぞれにオープンキッチンやバーキッチンを設けた。

それぞれのキッチンは、配置される場の性質や隣り合う空間に合わせて形も素材も変えている。イベント時にはケータリングを並べて囲めるように大きく正方形に近い形状を持つキッチン、仕事にも使えるようカウンター形状としたキッチンなど、それぞれのフロアに合わせたコミュニケーションハブとしての役割を持たせた。

今回リノベーションを行うにあたって、外観や街からの見え方に対しても丁寧に作り込むことを考えた。

既存建物は坂道により歩道レベルが変わっていくことによって複数の場所で施設へのアプローチができる構成を持っており、2階のメインエントランス・1階の駐車場・新しい地下1階のためのサブエントランスが、物理的に街とつながる。

そこで、それらの場所を街への接点として捉え、街を歩く人々からも、建物内で起きる自由な働き方が感じられるように意識して設計を行っている。

新しい働き方を許容する建物とはどうあるべきかを、企画段階から検討し続けていた。

今回の設計を通して、少しでも新しいオフィスの形に近づいていれば嬉しい。 (澤伸彦)