池ノ上の集合住宅

池ノ上の集合住宅

時期:2013.07

所在地:東京都世田谷区世沢2丁目79-2

クライアント:京王電鉄株式会社

規模:地上3階建て(一部2階建て)

用途:共同住宅

延べ床面積:270㎡

賃貸面積:230㎡

高架にある井の頭線 池ノ上駅の改札から地上に降りる階段の途中。そこに集合住宅のエントランスがある。
コンコースのパブリック階段から直結のエントランスである。
線路にぴったりと寄り添った小さな三角形の敷地。利便性は抜群だが、線路に近過ぎるし、建物を建てるにはかなり窮屈。しかし、駅の階段をつくるタイミングにあわせ、この変形した小さな土地を使えないか、ということになりプロジェクトが生まれた。
渋谷から3駅4分という意外に穴場の池ノ上駅。下北沢にも徒歩圏だ。周辺は住宅地だが、渋谷や原宿、下北沢のファッショナブルでクリエイティブなエリアに近く、働きながら住むというライフスタイルもあり得るのでは?
立体パズルを解くように空間を組み合わせ、行きついたのが、4つの個性的なプランが絡み合う集合住宅。
3階からアクセスするメゾネットの住戸は、3階にキッチンダイニング、2階にそこに落ち着いた寝室。
上下階でプライバシー度を変えてみた。SOHOの場合は上で仕事、下が居住とうまく分けることができる。
1階からアクセスする住戸は、3.5mの高い天井高を生かし、ロフトを備えたスタジオプラン。
撮影スタジオやオフィスとの併用もできそうな住まいの形だ。
道路から奥に続く路地を抜けていけば、一軒家のようなプランがもう一つ。
勝手口のドアを開くと、吹抜けからストンと落ちてくる自然光が印象的なダイニング。
階段を上がり2階に行けば、トップライトの開放感と、斜めに抑えられた天井の落ち着きが、いいバランスの寝室。
このすごい立地の、ちょっとエキセントリックな家。
4つの住宅が複雑に重なり合う、住むにも、働くにも、おもしろい場所だ。