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「PUBLIC DESIGN/新しい公共空間のつくり方」


時期:2015.04
編著:馬場正尊 + Open A
著:木下 斉、松本 理寿輝、古田 秘馬、小松 真実、田中 陽明、樋渡 啓祐
出版社:学芸出版
価格:¥1,800 + 税

6人の実践者から学ぶ方法論
おそらく僕たちは今、大きな社会システム転換の入り口に立っている。 だから、新しいパブリックスペースをつくるための具体的な方法論を探すために、僕はこの本を書いた。

まずは今までの常識とは少し違う方法で、しかし着実に、新しいタイプのパブリックスペースをつくり、運営し、継続しているケースを探してみる。そして出会ったのが、この6人の手掛けるプロジェクトだった。

木下 斉 地域経営
松本理寿輝 教育・まちづくり
古田秘馬 プロジェクトデザイン
小松真実 金融・コミュニティー
田中陽明 クリエイティブプラットフォーム
樋渡啓祐 政治・行政

僕は、パブリックデザインの具体的な方法論を探すため、この6人の実践者たちにインタビューをし、パブリックスペースやプロジェクトを実際につくり上げていくプロセスを学ぼうとした。そしてさらに、それをできるだけ構造化しようと試みた。

そこで浮かび上がってきた、これからの時代に必要なパブリックデザインの姿をダイアグラム化すると、上のようになる。

彼らがつくりあげた新しいパブリックスペースは、これらの要素を横断的に結びつけている。そしてそれを強固につなぎとめる求心力が"明快なコンセプト"だった。

本書では、このようなダイアグラムを多数用い、これからのパブリックデザインに必要な思考と行動を構造化している。

この本を書こうと思った理由
僕は、2013年に『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』という本を書いた。そこでは規制緩和や社会実験など、さまざまな方法で再生された公共空間の事例や、可能かもしれないアイデアを提示し、市民から離れていこうとする公共空間のあり方を問い直そうとした。

幸いなことに、多くの人が興味を持ってこの本を受け入れてくれた。特に当事者である行政の方々から、問題意識を共有しているという声を数多く聞いた。そして、民間企業やNPOなどの組織からも、新しい公共空間への関わり方のヒントとして捉えてもらった。

しかし、そこから一歩進んで具体的に公共空間に関わり、その変化にコミットしようとすると、僕らは新しい課題や壁と次々にぶつかることになる。そんな時、より具体的に公共空間についての新しい知識が欲しくなったことが、この本をつくるきっかけだった。

公共空間から考える新しい社会システム
僕は、彼らがつくった空間や方法論を見ていて、そこに新しい資本主義の姿をうっすらと感じることができた。

彼らは、今の社会システムを否定するわけでもなく、それに乗っかりながら、したたかに、ポジティブに、プラグマティックに理想を実現していく。

そして彼らは、その方法論が社会全体で共有されればいいと思っている。だから他者との差別化やオリジナリティーよりも、一般性、汎用性を重視する。マーケットシェア重視のひとり勝ちの利益よりも、自分のやるべき領域を明確にし、そのクオリティーを高めることに重心を置く。そして、結果だけではなくプロセスや他者との関わり、プロジェクトが成り立つ物語にこだわっている。